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なかのひと
“ディープ大阪”の聖地「新世界」探訪記・《串かつのメッカ》編

3月21日(日)、大阪・日本橋“でんでんタウン”で催されたイベントで、大阪のシンボル「通天閣」がロボ化した“通天閣ロボ”がパレード・デビューしました。
そして、今回、すぐ南に隣接する“ディープ”な大阪の一角「新世界」に潜入してきました。


1912年(明治45年)、この地で催された博覧会の遊園地として建設された“ルナ・パーク”が現「新世界」の前身です。
当時建てられた初代・通天閣は、パリの凱旋門エッフェル塔を合体させた大胆なデザインで評判となり、凱旋門よろしく通天閣を中心に放射線状に道路が広がっています。

初代通天閣

さて、昭和の時代には、十数軒もの映画館や芝居小屋がひしめき合っていましたが、テレビの時代を迎えて映画産業も下火になると、映画館は悉くパチンコ店に変身、さらに、ここ数年の間に、やはり「右へ倣え!」的に、軒並み串かつ店へと姿を変えていきました。
要するに、《串かつのメッカ》状態になったのは、ここ数年の変化でした。それでも、昭和2年創業の「てんぐ」を皮切りに、歴史ある老舗串かつ店は、現在も5店が経営を継続しており、数年前から進出してきた新参店とは一線を画し、ひと味違った筋金入りの、それぞれ個性的な味と歴史が魅力です。

目抜き通り

アズーチャ編集部では、その老舗串かつ店(5店=「だるま」「八重勝」「てんぐ」「近江屋」「やっこ」)に覆面調査を行なってみました。言わば、“ミシュラン”ガイドならぬ“アジュラン”試食&格付け調査結果のご報告です!

各店舗所在地は、「てんぐ」「八重勝」が“ジャンジャン町”(串かつ店の代名詞的なアーケード街)に、「だるま」「やっこ」が新世界中央にある“(通称)串かつ横丁”に、最も通天閣に近い通りに「近江屋」があります。
が、タレントの赤井英和さんが事実上のオーナーでもある「だるま」は、テレビでの赤井効果もあって、チェーン展開も活発で、“ジャンジャン町”にも通天閣の真下にも開店しました(大阪のキタやミナミにも展開中です)。
また、「だるま」と並んで、マスコミによく取り上げられる「八重勝」も、有名百貨店の名店街イベント等に出展したり、こちらもPR活動にはぬかりありません。
それに比べて、昭和2年創業(現在3代目社長)の「てんぐ」や「やっこ」「近江屋」は、積極的なPR活動はほとんどしていません。

ジャンジャン町

さて、“アジュラン”覆面調査の方法ですが…「ころも(味)」の素材と調合方法が各店それぞれ(企業秘密)であり、揚げる「油」の選び方や、職人さんの腕でもある「揚げ方」、串かつを浸ける「ソース」の作り方・選び方にも個性があります。さらに、「メニュー」の豊富さや「接客」態度、もう一つの人気メニュー「どて焼」の美味しさも項目に加えました。
以上の7項目について5点満点での採点を試みました。「どて焼」は、一部取り扱っていないお店もあり、調査対象の満点が2種類できてしまいましたが…

結果は、「どて焼」を取扱っていないにも関わらず、合計28点を稼いだ「やっこ」が1位に。
「メニュー」も豊富で、オリジナル「ソース」も絶妙な“甘辛”感で感動的でさえありました。店主ら三人でこぢんまりとキリモリして、独特の和やかな雰囲気も好感を持てました。

採点表
やっこ

2位には“ジャンジャン町”の老舗「てんぐ」と「八重勝」が同点(27点)でした。「八重勝」は「ころも」の味が比較的淡白で、「てんぐ」の方が濃い味でした。この辺りは“好み”の問題だと思われます。ソースの選び方も似ていました。油は「色々と試した結果、“オランダ産のラード”に決め、ずーっとこの油にこだわっています(2代目女将・松谷清子さん)」という「てんぐ」にこだわり度で分があるようでした。
「どて焼」の味でも、「てんぐ」が抜きん出ていました。毎朝未明に起床してスジ肉を何時間も煮炊きし続けているそうで、そこまで手の込んだ仕込みをしているのは「てんぐ」だけのようで、企業秘密の味噌だれの“甘辛”感もまた感動的でした。ただ、店員さんの教育が行き届いている「八重勝」に対し、「てんぐ」の店員さんには覇気が感じられませんでした。
ご贔屓の作家では、「八重勝」が藤本義一先生、「てんぐ」は田辺聖子先生だそうです。

てんぐ
八重勝

という訳で、味に関する項目では「やっこ」と「てんぐ」がトップを争い、「八重勝」がそれに続いています。
人気の「だるま」は、メニューも豊富で個性的な味でしたが、「ころも」が極めて薄く、「ソース」も残念ながら“ただ辛い”感じでした。また、運悪く“たまたま”なのかもしれませんが、本店の店長さんが携帯電話で通話しながら串かつを揚げている姿はいただけませんでした。
「近江屋」の串かつは、まるでアメリカンドック的な“もちもち”食感で、好みがハッキリ二分するのでは?という感想を持ちました。

だるま
近江屋

いかがでしたか?…“アジュラン”覆面調査の結果を、あくまで参考までにしていただき、皆さんの“好み”の串かつ店を求めて、“ディープ”な大阪「新世界」を食べ歩いてみて下さい。


編集部T2
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この記事へのコメント
宮岡雅人 [2010-05-15 17:54:05]
素晴らしい文章を書かれますね!
鋭い観察力と視点の角度に、
思わずパソコンの前で
感心してしまいました。

その「やっこ」に今度、
先輩を連れていこうと思います★

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